2022年12月18日の学習のポイント
12月の読書会では、前半に、これまで学んだ人間観(1)~(3)のポイントを復習しました。後半に、人間観の最後の項目である(4)死後の人間の身体と心にていて学習しました。
【人間観(4)死後の人間の身体と心】
人間は、霊、霊の心、霊体という霊的要素と、肉の心、肉体という物質的要素を持って、地上人生を送ります。そして、全ての人間が必ず死を迎えることになります。死とは霊体と肉体が、完全に分離することです。
死によって、肉体は消滅し、それに伴って肉体本能もなくなります。人間の寿命は長くても百年ほどで、死ぬと同時に肉体は土に戻ります。そして、死によって肉体を脱ぎ捨てた人間は、死後の世界で生き続けます。
人間は死後、霊、霊の心、霊体という霊的要素だけを携えて、新たな生活を始めるようになります。人間が死によって失うものは、地上人生を送るための道具である肉体だけです。
人間は神から霊を分け与えられ、地上に誕生しました。いったん神の分霊として造られた人間は、霊として死後の世界で生き続けます。永遠に個別性を持って存在するのです。
人間は死後、霊的要素だけで生活するようになりますが、地上時代と同じように、知・情・意という心を持って活発に精神活動を行います。
地上人は、霊的意識と肉体本能的意識という二つの意識を合わせたものを一つの心として感じています。心の中にある二つの意識は、全く違う方向を志向します。霊的意識は利他的方向を志向し、肉体本能的意識は利己的方向に向かおうとします。
このように相反する方向性を持つ二つの意識が、一つの心を作り上げているため、地上の人間は常に心の中で葛藤を強いられることになります。地上で霊的意識を優位に保つためには、大変な努力が必要とされます。これが古来言われてきた、霊と肉の闘いです。
しかし、死によって肉体が消滅すると、肉体本能的意識もなくなります。死と共に、霊的意識と肉体本能的意識の葛藤から解放されることになります。心の底から霊的な清らかさを求めてきた人間にとって、死は、霊と肉の闘いの苦しみから、自分を解放してくれる喜びの時となるのです。
地上には、肉体の一部に障害を持って生活している人がいます。死によって、地上時代の肉体的障害はなくなります。身体障害や知的障害は、肉体の障害であり、霊体には何一つ問題はありません。地上時代に様々な障害で苦しんできた人も、死後はその不自由さから解放されることになるのです。
2022年11月20日の学習のポイント
11月の読書会では、前回の復習のあと、人間観(2)「霊」と「霊の心」、(3)心・意識とは、について学習しました。
【人間観(2)「霊」と「霊の心」】
シルバーバーチは、「霊」について二つの定義を示しています。一つ目の定義は、「霊」とは、私たち人間の核であるということです。「霊」とは人間の本体であり、人間の本質であるということです。二つ目の定義は、「霊」とは、大霊である神の分霊であるということです。
「霊とは神の分霊である」ということは、私たち人間には神と同じ要素が内在しているということを意味しています。人間は神と同質の霊的要素を持つ霊的分子であり、霊的モナドということです。シルバーバーチは、人間は神と同じ霊的要素を持った存在であるということを、ミニチュアの神という言葉で表現しています。
「霊」を取り巻くように存在しているのが、「霊の心」です。霊の心は、霊の道具であり、霊の表現器官です。霊の心は、知・情・意の働きとして表現されます。
霊と霊の心は全く別物で、どちらも形体はありません。そのため、地上人には区別がつきません。地上人にとって、霊は霊の心の中心、霊の心の最高次元の部分ということになります。
シルバーバーチは、「人間は霊的存在である」と定義しています。大霊によって、霊的存在として創造された人間は、永遠に個別性を維持し、果てしない霊的進化の道を歩み続けます。そして、終わりのない進化のプロセスの中で、少しずつ親なる神のもとに近づいていくことになります。大霊によって、等しく分霊を授けられた人間は、神の子供であり、神と人間は親子関係にあります。そして、全人類は神を共通の親とする霊的兄弟姉妹であり、霊的一大家族なのです。
【人間観(3)心・意識とは】
人間は、霊体と肉体という二つの身体を携えて地上で生活しています。この二つの身体は、それぞれ心のような器官があります。霊体には霊の心があり、肉体には肉の心があります。霊の心から発生するのが霊的意識です。霊的意識は、人間の高次元の要素であり、利他的方向を志向します。それに対して、肉の心から発生するのが肉体本能的意識です。肉体本能的意識は、人間と動物に共通の要素で、利己的方向を志向します。
霊の心と肉の心は、同一の場所に重複して存在しています。そのため、地上人は二つの異なる心を一つの心として感じます。私たち人間が心として自覚しているものの中には、霊的意識が含まれていますが、地上人は霊的意識の全てを自覚しているわけではありません。
霊的意識の大部分は、潜在意識として自覚できない状態にあります。霊的意識のほんの一部だけが、脳という物質の器官を通して顕在化しています。日頃、私たちが心として自覚しているのは、脳を経て自覚されるようになった霊的意識の一部と、脳から発生する肉体本能的意識が合体したものです。一般的に心とされているのは、この顕在意識のことなのです。
2022年10月16日の学習のポイント
10月の読書会では、「スピリチュアリズムの思想体系とは」と「人間観(1)人間の身体の構成」について学習しました。
【スピリチュアリズムの思想体系とは】
スピリチュアリズムを構成する要素には、スピリチュアリズムの思想(霊的真理)、スピリチュアリズムの歴史、霊能者、心霊現象、霊界通信など様々な要素があります。その中で一番重要な要素は、スピリチュアリズムの思想(霊的真理)です。霊的真理を手にしたスピリチュアリストが、最初にしなければならないのは、スピリチュアリズムの一番重要な要素である霊的真理の正しい理解です。
霊的真理を正しく理解するためには、大きく分けて二つの方向性があります。一つは、全体的理解で、もう一つは、体系的理解です。
全体的理解とは、霊的真理の重要ポイントを網羅した総合的理解ということです。スピリチュアリズムの思想の重要ポイントである、神観、人間観、人生観、死生観、死後世界観、再生観などをすべて理解していくということです。
体系的理解とは、霊的真理の重要ポイントを関連付けた有機的理解ということです。思想上の重要ポイントを一つ一つ理解していく全体的理解に対して、体系的理解とは、いくつかの重要ポイントを関連付けてグループ化し、思想体系として理解していくということです。例えば、人間観、人生観、死生観、死後世界観、再生観といった重要ポイントを関連付けて、ストーリー性を持たせて理解していくということです。
これからの学習は、スピリチュアリズムの霊的真理を体系的に理解することを目的としています。膨大な霊的知識を3つに系統立てて体系化したのがスピリチュアリズムの思想体系です。
「スピリチュアリズムの思想体系Ⅰ」は、人間が今後辿っていく道筋を中心に真理を整理したものです。すなわち、時間軸に沿って霊的真理を体系化しています。
「スピリチュアリズムの思想体系Ⅱ」は、人間を取り巻く世界を中心に真理を整理したものです。すなわち、水平軸に沿って霊的真理を体系化しています。
「スピリチュアリズムの思想体系Ⅲ」は、人間の霊的成長とそのための実践を中心に真理を整理したものです。すなわち、霊的成長と実践軸に沿って霊的真理を体系化しています。
【人間観(1)人間の身体の構成】
人間の身体は、霊体と肉体という二つの身体で構成されています。肉体は、肉眼で見えますが、霊体は、霊視能力を持った霊能者でなければ見ることができません。霊体と肉体は、同じ大きさ、同じ形をしています。そして、それぞれの身体は波動が異なるため、同じ場所に重複して存在しています。つまり、人間の身体は、「霊体」と「肉体」の重複構造であるということです。
人間の身体は、「霊」「霊の心(霊的意識)」「霊体」という3つの霊的要素と、「肉の心(肉体本能)」「肉体」という2つの物質的要素から成り立っています。つまり、人間は、5つの構成要素から成り立っているということです。
人間の身体の構成において、もう一つ重要な点があります。それは、霊的要素は、物質的要素に対して上位にあるということです。それが、神の摂理に沿ったあり方なのです。