読書会の学習ポイントと感想


 

2023年3月19日の学習のポイント

 

3月の読書会は、スピリチュアリズム普及会より出ているスピリチュアリズム思想体系Ⅰ……③「死生観」のDVDの内容を講義形式で学習しました。

 

死生観は、以下の項目から成り立っています。

 

(1)「死」は人間にとって最大のテーマ

(2)「死」に対するさまざまな考え方

(3)スピリチュアリズムの登場

(4)スピリチュアリズムの死生観

(5)シルバーバーチの死生観

(6)「死」に関するさまざまな問題

(7)「死」に関する社会的慣習・宗教的行事

 

今回は、(1)~(4)の項目を学びました。

 

それぞれの項目のポイントについて見ていきます。

 

(1)「死」は人間にとって最大のテーマ

 

人間にとって「死」は避けられない宿命です。誰もが「死」を「最大の恐怖」と感じています。「死」はいつか必ず訪れるものと分かっていても「死」を平然と迎えられる人はほとんどいません。「死」は恐怖であるだけでなく「最大の悲劇」であり「不幸」であり「悲しみ」です。人々は「死の恐怖」から救われたいと願い「宗教」にすがってきました。太古から「宗教」は「死の恐怖」に対する「救済手段」となってきたのです。

 

 

(2)「死」に対するさまざまな考え方

 

死に対する考え方は、大きく二つに分けられます。一つは、唯物論的な考え方です。唯物論的な考え方では、人間は死によって消滅する、死後の生命や死後の世界はないと考えます。霊魂や死後の世界を信じることは、時代遅れの考え方だと主張します。そうした唯物論的な考え方をする人が、死を冷静に受け止めることができるかと言えば、そうではありません。大半の人は、死に直面すると恐怖に怯え、死別の悲しみに打ちひしがれることになります。

 

死に対するもう一つの考え方は、宗教における一般的な考え方です。宗教では、人間は死後も存在する、死後の世界があると説いてきました。そして、生前の生き方によって天国や極楽浄土に行くか、地獄に行くかが決まると教えてきました。しかし、こうした宗教の教えを信じ、熱心に信仰しても死の恐怖から逃れることができません。もし地獄に落ちたらどうしようという不安が付きまとい、死ぬのが恐くなってしまうのです。

 

科学の進歩にともなって、現代人は多くの知識や情報を得ることができるようになりました。宗教が説く死についての教えは、科学的思考を持った現代人には、説得力がありません。宗教は現代人の理性を納得させることができず、人々の宗教離れが続いています。宗教に拠り所を求めることができない人々は、死の恐怖から逃れられずにいます。宗教が人々を死の恐怖から救うことができない最大の理由は、宗教自体の霊的無知にあります。死についての真実を教えるはずの宗教が、霊的事実を何も知らないため、人類に真実の死生観を示すことができなかったのです。

 

 

(3)スピリチュアリズムの登場

 

スピリチュアリズムは「死の問題」を科学万能主義の時代に再登場させました。スピリチュアリズムは、宗教という形式ではなく、霊的事実に基づく新しい霊的思想として「死の問題」に解答を示しました。

 

「スピリチュアリズムの死生観」が地上にもたらされたプロセスについて見ていきます。霊界側は、まず、様々な心霊現象を演出し、それを地上の科学者たちに研究させました。その結果、霊魂説の正当性が証明されました。霊魂の存在を客観的事実として証明したうえで、霊界通信を通して「霊的真理・霊的知識」を地上にもたらしました。

 

霊界からもたらされた「霊的真理・霊的知識」によって、人類史上初めて「死の問題」についての真実が解明されることになったのです。従来の宗教の死生観とスピリチュアリズムの死生観は、根本から違っています。従来の宗教の死生観は、「信じるか、信じないか」という信仰の問題でした。一方、スピリチュアリズムの死生観は、客観的事実として明らかにされたものです。地上には様々な死生観が存在してきましたが、スピリチュアリズムによって初めて、人類にとって唯一・共通の死生観が確立されることになったのです。

 

 

(4)スピリチュアリズムの死生観

 

スピリチュアリズムの死生観は、心霊研究を通して明らかにされた霊的事実に基づく新しい心霊思想です。現代人の理性が納得する画期的な死生観です。

 

スピリチュアリズムの死生観ののポイントは、死とは霊体と肉体を繋いでいるシルバーコードが切れる瞬間のことです。死後、肉体を脱ぎ捨てた人間は、霊体だけになって霊界で永遠の人生を歩むことになります。こうした死に関する真実が明確に示されたことで、地上人は死後の生命の存続や死後の世界の実在に確信を持つことができるようになりました。スピリチュアリズムによって初めて、地上人類は死の恐怖から救われることになったのです。

 

 

以上が、「死生観」の(1)~(4)のポイントについてでした。

 

 

 

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2023年2月19日の学習のポイント

 

2月の読書会では、昨年10月・11月・12月に学習した人間観のポイントを復習しました。

 

昨年の人間観の学習は、スピリチュアリズム普及会より出ているスピリチュアリズムの思想体系[Ⅰ]……①「人間観」のDVDの内容を講義形式で行いました。 

 

人間観は、以下の4つの項目から成り立っています。

(1)人間の身体の構成

(2)「霊」と「霊の心」

(3)心・意識とは

(4)死後の人間の身体と心

 

それぞれの項目のポイントについて見ていきます。

 

(1)人間の身体の構成

 

人間は、霊体と肉体という二つの身体から構成されています。肉体は、肉眼で見ることができますが、霊体は霊視能力を持った霊能者でなければ見ることができません。霊体と肉体は、同じ大きさ、同じ形をしています。そして、同一の場所に重複して存在しています。つまり、人間は、霊体と肉体という二つの身体の重複構造となっているということです。これが、スピリチュアリズムの身体観の一番の基本です。

 

シルバーバーチは、人間の身体の構成について、次のように述べています。

 

 

「人間は物的身体と霊的身体、そして両者を結びつける生命の糸(シルバーコード)という3つの要素から成り立っています」

                         (シルバーバーチの教え・下 p76)

 

 

物的身体とは肉体のことです。霊的身体とは霊体のことです。肉体と霊体は、シルバーコードと呼ばれる半物質のひもで結ばれています。シルバーコードについては、死生観で詳しく学習していきます。

 

 さらに、人間は、霊、霊の心、霊体という三つの霊的要素と、肉の心、肉体という二つの物質的要素で成り立っています。すなわち、人間は5つの構成要素から成り立っています。本来、霊的要素は、物質的要素に対して上位にあります。それが神の摂理に沿った在り方です。

 

 

(2)「霊」と「霊の心」

 

霊とは、人間の核であり、人間の本体、本質です。そして、霊とは大霊である神の分霊です。人間は、神から霊を分け与えられた存在であり、神と同じ霊的要素を持っています。

 

 

「あなた方は、ミニチュアの神なのです。あなた方は、大霊の完全な火花・全生命のエッセンスである霊を宿しています。その神聖な火花がなければ、あなた方は存在することはできません。」

                                                                                                                                        (The  Seed  of  Truth)

 

 

シルバーバーチは、人間は神と同じ霊的要素を持った存在であるということを、ミニチュアの神という言葉で表現しています。

 

霊を取り巻くように存在しているのが、霊の心です。霊の心は、霊の道具であり、霊の表現器官です。霊の心は、知・情・意の働きとして表現されます。霊も霊の心も、形態がないため、地上人には区別がつきません。地上人にとって霊は、霊の心の中心、最高次元の部分ということになります。

 

シルバーバーチは、人間は霊的存在であると定義しています。人間は、霊的存在であるということを、シルバーバーチの言葉で確認します。

 

 

「あなた方は、今この時も霊的存在なのです。死んでこちらへ来てから霊的なものを獲得するのではありません。あなた方は、受胎の瞬間から霊的存在です。あなた方を生かしめている大霊から、あなた方を切り離すことができるものは何もありません。」

                                                                                                                                      (The Spirit Speaks)

 

 

大霊によって、霊的存在として創造された人間は、永遠に個別性を維持し、果てしない霊的進化の道を歩み続けます。そして、終わりのない進化のプロセスの中で、少しずつ親なる神のもとに近づいていくことになります。大霊によって、等しく分霊を授けられた人間は、神の子供であり、神と人間は親子関係にあります。そして、全人類は神を共通の親とする霊的兄弟姉妹であり、霊的一大家族なのです。

 

 

(3)心・意識とは

 

人間は、霊体と肉体という二つの身体を携えて地上で生活しています。この二つの身体は、それぞれ心のような器官があります。霊体には霊の心があり、肉体には肉の心があります。

 

霊の心から発生するのが霊的意識です。霊的意識は、人間の高次元の要素であり、利他的方向を志向します。それに対して、肉の心から発生するのが肉体本能的意識です。肉体本能的意識は、人間と動物に共通の要素で、利己的方向を志向します。

 

霊の心と肉の心は、同一の場所に重複して存在しています。そのため、地上人は二つの異なる心を一つの心として感じます。私たち人間が心として自覚しているものの中には、霊的意識が含まれていますが、地上人は霊的意識の全てを自覚しているわけではありません。

 

霊的意識の大部分は、潜在意識として自覚できない状態にあります。霊的意識のほんの一部だけが、脳という物質の器官を通して顕在化しています。日頃、私たちが心として自覚しているのは、脳を経て自覚されるようになった霊的意識の一部と、脳から発生する肉体本能的意識が合体したものです。一般的に心とされているのは、この顕在意識のことなのです。

 

地上の人間は、霊的意識の一部しか自覚できないということを、シルバーバーチは次のように述べています。

 

 

「あなた方が自覚できる意識は、物質界で表現されている部分だけです。霊的進化のプロセスの中で、より大きな意識を自覚するようになるまでは、真の自我に気づくことはありません。大きな意識がほんの一瞬、現れることはあっても、大部分は隠されたままなのです。一般的に言って人間は、死のベールを通過するまでは、大霊から受け継いだ真の自我に気づくことはないのです。」

                                                                                                                             (Silver Birch Companion)

 

 

シルバーバーチが真の自我と言っているのは、霊の心、霊的意識のことを指しています。人間は地上で生きている間は、霊の心のほんの一部しか自覚することはできません。大部分の人間は死んで初めて、本当の自分を知ることになるのです。

 

 

(4)死後の人間の身体と心

 

死によって、人間の肉体と肉体本能は消滅します。そして、死後、人間は霊、霊の心、霊体という霊的要素だけで生活するようになります。人間は、死後も、知・情・意という心を持って活発に精神活動を行います。死ぬと肉体が消滅しますから、地上時代の肉体的障害はなくなります。身体障害や知的障害はなくなるということです。

 

以上が、人間観の4つの項目のポイントです。

 

次回は、死生観を学習していきます。